無印感想(悲恋エンド)
ベストエンドと一緒の文にまとめると情緒がおかしくなりそうだったので、悲恋エンドの感想だけ分けました。
Unlimited小冊子「Tragic love story」の悲恋エンド後SS「解けない心」の内容も含みます。
笹塚√の悲恋って、確かに悲恋ではあるんだけど、5人の中で一番ましというか、比較的まだ救いのある(ように見える)ルートだよね。
エンドタイトル「捨てられた猫」、めっっっちゃ好きなんですよね……癖……
笹塚の悲恋、とりあえず首輪外してひと段落するまで分岐しないから、悲恋エンドってなんなんだろう……? ってしばらく不安だった。一旦「悲恋」で辞書引いちゃったもんね。
クリスマスイブのお誘いもなくて何も関係が進展しないまま年が明けちゃって、あぁ本当にくっつかないエンドなんだって理解して切なくなりました。
首輪代わりのネックレスをもらって素直に喜んでる市香と、すでに別離を心に決めてる笹塚と。このどうにもならない感じが本当に……心臓ぎゅってなる……。
笹塚、本当はきっと、ちゃんとさよならを言う覚悟を決めてネックレス渡したんだよね。それなのに、あんまり市香が嬉しそうだから、言えなくなっちゃったんだと思うとさぁー……。
これがただのパートナーなら、俺はアメリカに渡るからの一言ですっきりお別れできたのにね。大事なものほど大切にする方法がわからなくなる男、私は大好きですよ。苦しいけど。
笹塚が何も言わずにいなくなった理由に「信頼が足りなかった」の可能性を挙げる市香には思わずバカ市香!!!って叫んじゃったけどさ。
なんとか連絡取れないかって第三者(柳さんか桜川さんあたりなのかな)を介してみても全部無視されて、伝えられなかった好きだって言葉ともらったネックレスを抱えて、わずかな期待を捨てられないまま半年待ってた市香、ちゃんと全部わかってたんだよなぁ。
FDのあまあまいちゃいちゃを見た後に、更なるいちゃつきを期待して読んだ小冊子でこんな爆弾落とされるの、人の心がない。
あの合理主義の笹塚が、未練は断ち切ったって自分に言い聞かせて無理矢理にでも納得していた笹塚が、実際に再開したら未練しかないって自覚してしまうの、すごくすごく良くて……っ
ちゃんと市香に惚れてたのに置いていくんだ……って思ってたのに、離れた理由が「市香は自分の復讐の邪魔になる」とかじゃなくて「復讐を望む自分は市香にふさわしくない」なの、負い目引け目があるのもそうなんだろうけど、軸ががっつり市香に置いてあってさ、ほんとに……ずるいね…………。
星野市香を泣かせたくない、の行動原理が悲恋エンドにもちゃんと適応されてるの、こんなの泣くしかないよ。
笹塚の悲恋の何がしんどいって、分岐理由が単純な「好感度Low」以外の何でもないってところなんですよ。他4人の悲恋ENDへの分岐は「市香が正しく引き金を引けるか」だったのに。その内の3人に至ってはシステム上でもトリガーシステムの成功が運命を分けたのにね。
市香も笹塚も、決定的に何かを間違えたわけじゃない。お互い言葉にはしなかったけど、ちゃんと想い合ってもいた。ただ、笹塚の中で、市香に対する恋心よりも復讐心のほうが勝ってしまった。それだけ……。
SSタイトルの「解けない心」はどっちの心のことなのかなってしばらく考えて、「理性とは裏腹にもう解くことができないくらいどうしようもなく絡み合ってしまった想い」とかかなぁなんて、そういう希望を見出そうとしていたんですけどね。
ビジュアルファンブックの攻略マニュアルの笹塚のところ(P.157)に、『彼の心の奥底で深く静かに燃え続ける復讐心を解きほぐしていこう』って書いてあって……。あぁ、なるほどね……としか言えませんでした。切ないです。
一番どうにかなれそうな終わり方をしたはずなのに。
あれ、もしかしてこれって頑張ったらここからでもお付き合いルートに入れるんじゃない? なんて思ったのに。
仮にこのあと笹塚が完全に絆され切ったとしても、このふたりは付き合わないし結婚しないだろうなっていうのがなんとなく見えてしまって、さぁ…………。
たぶん(というか私の癖としては)市香はシャツの下に常にもらったネックレスをつけてるけど、笹塚にはそのこと絶対に言わないんだろうなって。奇跡的にお付き合いルートに入るか、なし崩しにセフレルートに入るかしない限り(こら)笹塚はネックレスの在処を知らないまま生きていくんだろうなって。
両片想いからのお別れとしてあまりにも綺麗で、私の好みど真ん中で、だけどやっぱり苦しくて。私の癖ってとことん「執着と喪失」なんだなぁって改めて思い知りました。(こんなどうしようもない結論でいいんですか?)(だって真面目に向き合うと苦しいから……)
最初に浴びた悲恋がこれだったせいで悲恋エンドってこんな感じなんだな〜って舐めてたら、残り4人の悲恋でかなり傷付きました。罠だ。